
保険薬局やドラッグストアで日々、外来処方せんを受け付けている薬剤師の方にお聞きします。
日常業務の中で、患者さんに

検査値を見せてください
と積極的に声をかけていますか?
検査値を確認しても、患者さんにどう説明すればいいのかわからない。薬歴を書く時間が増えてしまう。
そもそも、検査値をどう見ればいいのか自信がない。
こうした理由から、検査値の確認に消極的になっている薬剤師は少なくないのではないでしょうか。
カルテからいつでも検査値を確認できる病院薬剤師と違い、外来対応を行う薬剤師は、自ら意識して検査値を確認しに行かなければなりません。

この「ひと手間」が、検査値を遠ざけてしまう大きなハードルになっていると感じています。
『薬剤師力がぐんぐん伸びる 検査値の活かし方』は、その検査値を確認しにいく心理的なハードルをグッと下げてくれる1冊です。
というか、本書を読み終える頃には、「患者さんの検査値を見てみたい!」と思っているはずです。
もちろん、病院薬剤師の方にもオススメできます。
むしろ、本書を読まなくていい薬剤師はいないと感じました。
本記事では、本書がどのような本なのか、そして調剤薬局で働く私が本書をどのように現場へ活かしたのか、正直な感想とあわせてわかりやすく紹介します。
この記事を読み終えた頃には、多くの方が本書を手に取りたくなっているはずです。
| 評価項目 | 評価 | ポイント |
|---|---|---|
| 総合評価 | 全ての薬剤師にオススメできる良書。検査値の見方に対する考え方が整理され、明日からの業務に間違いなく活かせる1冊です。 | |
| 実務での活かしやすさ | 血糖やコレステロールの目標値など、ガイドラインを引用した表は一部ありますが、基本的には自己学習用の本です。日常業務で頻繁に開くタイプの本ではありません。 | |
| 自己学習への向き | みんな本書で勉強してほしい!検査値を「覚える」のではなく「どう考えるか」を学べる構成で、自己学習との相性は抜群です。 | |
| 読みやすさ | 文章は丁寧で読みやすいです。約240ページと4〜5時間で読み切れるボリュームもちょうど良いと感じました。 | |
| コスパ | 税込4,950円。医療書としてはやや高額ですが、検査値に対する考え方をアップデートできる内容で、価格以上の価値があります。 |
【のしんの一言】

知識を活かせるかどうかは、“自分次第”ではなく“環境次第”かもしれません。
もし今の職場に違和感があるなら、一度こちらの記事も読んでみてください。
▶︎ 学び続けたい薬剤師のための“転職の考え方”はこちら
『薬剤師力がぐんぐん伸びる 検査値の活かし方』はどのような本なのか
本書は、検査値を「覚えるための本」ではありません。
異常値を見つけることがゴールでもなく、数値を暗記することが目的でもありません。
薬剤師として、検査値をどう読み、どう考え、どう実務につなげるか。
その思考の流れを、薬の知識や病態と結びつけながら学べる1冊です。
ここでは、本書の内容をいくつかの視点に分けて紹介します。
「検査値を読むとは何か」という本質的な考え方から、トレーシングレポートや医師への提案にどう活かせるのか、そして自己学習としての位置づけまで、本書の特徴を整理していきます。
“検査値を読む”とは何か、その本質を学べる本
結論から書くと、本書で示されている「検査値を読む」という行為の本質は、
「検査値を見て異常値を探すこと」ではなく、
「患者の病態や状況、処方薬などから検査値を思考すること」

これこそが、本書が一貫して伝えているメッセージです。
検査値は、最初に見るものではなく、患者を理解するための“答え合わせ”として最後に確認するもの。
その考え方を、誰でも実践できる形に整理したのが、本書で紹介されている「4つのステップ」です。
検査値を活かすための4つのステップ
ステップ① 処方箋から、患者の疾患や病態を推測する
ステップ② 疾患・病態・服用薬から、確認すべき検査値を考える
ステップ③ 実際の検査値を読み解く
ステップ④ 医師への提案や、必要な管理・指導を考える
ステップ① 処方箋から、患者の疾患や病態を推測する
まずは処方内容を見て、どのような疾患を持ち、どのような病態にある患者なのかを考えます。

検査値を見る前に、患者像を頭の中で描くことがスタートです。
ステップ② 疾患・病態・服用薬から、確認すべき検査値を考える
次に、その患者にとって「本来確認すべき検査値は何か」を考えます。

やみくもに数値を見るのではなく、目的を持って検査値を選ぶ視点が重要です。
ステップ③ 実際の検査値を読み解く

ここで初めて検査値を確認します。
想像していた値と比べてどうか、ズレがあるのか。
その違いに意味を見出すことで、検査値は“情報”になります。
ステップ④ 医師への提案や、必要な管理・指導を考える
検査値を踏まえ、医師へどのような提案ができるか、患者にどのような管理や指導が必要かを考えます。

検査値は、次のアクションにつなげてこそ価値があります。
検査値は「結果」ではなく「文脈」で読む
例えば、「HbA1cが8.0%」という検査値があったとします。
この数値を見ただけでは、ほとんど何も分かりません。
薬物治療をまだ行っていない患者なのか。
それとも、HbA1cが10%以上だった患者が、糖尿病の教育入院を経て改善し、現在8.0%まで下がってきている段階なのか。
併用薬は?合併症は?腎機能は?

同じ「8.0%」でも、背景が違えば意味はまったく異なります。
本書の4ステップに沿って考えれば、検査値は単なる数字ではなく、患者の経過や治療状況を映し出す情報として読めるようになります。
検査値を前にして手が止まってしまう原因は、知識不足ではなく、考える順番が分からないこと。
本書は、その順番を明確に示してくれる1冊です。
検査値を読むために必要な薬の知識や病態の理解を得られる本
検査値を「読む」ためには、数値そのものの知識だけでは不十分です。
その検査値がなぜ変動するのか、薬がどこにどう影響しているのか、そして患者がどのような病態にあるのかを理解してはじめて、検査値は意味を持ちます。

本書の特徴は、検査値を単独で解説するのではなく、薬の作用機序や副作用、疾患の病態生理と結びつけて説明している点にあります。
そのため、「この薬を使っているなら、この検査値は見ておきたい」
「この病態なら、この数値が動いても不思議ではない」
といった考え方が、自然と身についていきます。
例えば、SGLT2阻害薬を服用している患者であれば、血糖値だけでなく、腎機能や脱水の有無、体重変化などにも目を向ける必要があります。
利尿薬を使用していれば、電解質や腎機能の変化を意識する。
こうした薬と検査値の“つながり”を、本書は丁寧に解説してくれます。
また、病態の理解が浅いままでは、検査値を見ても「高い」「低い」という評価で止まってしまいます。
検査値を読む力は、検査値そのものを覚えることで身につくのではありません。
薬の知識と病態理解が積み重なった結果として、はじめて身につくものです。
本書は、その土台を丁寧に作ってくれる1冊だと感じました。
トレーシングレポートや処方医への提案の説得力を上げられる本
本書を読めば、トレーシングレポートが突然書けるようになる。
——そういった類の本ではありません。
また、トレーシングレポートを書く習慣がない薬剤師に対して、「まずは検査値を学ぼう」と勧めるのも、正直現実的ではないと感じています。
本書の価値はそこではなく、すでに書いているトレーシングレポートや、日々行っている情報提供に“説得力を加える視点”を与えてくれる点にあります。
私自身、これまでに書いてきたトレーシングレポートを振り返ると、
“症状や患者さんの訴え”、”服薬状況といった状況説明”はできていたものの、そこから何が考えられるのか、どう対応するのがよさそうかという“踏み込んだ提案”まで書けていないものもありました。
検査値を根拠にすることで、提案に説得力を持たせることができます。
トレーシングレポートに検査値を無理に盛り込む必要はないですが、「この提案には、この検査値が根拠になりそうだ」と気づけるだけで、トレーシングレポートの書き方は大きく変わります。
患者の検査値を読みたくなる“自己学習向け”の本
本書は、調剤室に置いて業務中にパラパラと開くタイプの本ではありません。
業務とは別に時間を確保し、腰を据えて勉強するための本です。

ただし、本書で勉強すると、確実に現場での意識が変わります。
読み進めるうちに、
「次にこの患者さんが来たら、あの検査値を確認してみたい」
「この薬を使っている患者さんの検査値は、どうなっているだろう」
と、自然に実際の患者さんの顔が思い浮かぶようになります。

検査値を学ぶというより、患者を理解するために、検査値を使いたくなる。
私自身、本書を読み進める中で、このような気持ちの変化を実感しました。
正直なところ、1周読んだだけで業務が大きく変わるわけではありません。
しかし、
本書で勉強する
↓
現場で検査値を確認する
↓
疑問が生まれる
↓
もう一度本書に戻る
というサイクルを回していくことで、検査値が「苦手」から「武器」に変わっていくと感じています。
このサイクルを継続できれば、検査値を自信をもって扱える薬剤師になれることは間違いありません。
私は本書をこのように活かしました【検査値を“読む”を現場に落とし込む】
ここからは、本書で学んだ考え方を、私自身がどのように現場へ落とし込んだのかを紹介します。
特別な取り組みではなく、日々の業務の中で検査値への向き合い方を少し変えただけです。

「検査値を読む」という考え方は、知識として理解しただけでは、なかなか身につきません。
現場で使い、つまずき、また本書に戻る。
その繰り返しの中で、少しずつ実感を伴って身についていくものだと感じています。
本書を読んで終わりにせず、患者対応や薬歴、薬局内の業務フローにどう反映させたのか。
実務の中で感じた変化を、具体例とともにまとめます。
患者さんから検査値を見せてもらえる機会が増えた
本書を読んでまず変わったのは、検査値に対する自分自身の意識でした。
以前は、患者さんから検査値を見せてもらうことに消極的でした。
その理由は、薬歴などの業務が増えてしまうこと、検査値を確認しても疑義照会につながらず、結局その場で患者さんに渡す薬が変わらないことが多かったためです。
それなら、早く次の患者さんの投薬に進みたい。
正直、そう考えていました。
業務が増える点については、次に紹介する業務フローの見直しによって、負担を最小限に抑えることができました。
そしてもう一つ、大きな気づきがありました。

それは、検査値は異常が出たときに確認するのでは遅いということです。
異常がないときの数値を把握していなければ、その後どのように変化したのかを時系列で捉えることができません。
検査値は単発で見るものではなく、時間の流れの中で変化を見るもの。
この考え方を理解してからは、たとえ今回の処方が変わらなくても、
患者さんの状態を継続的に把握するために、検査値を確認し、薬歴に残しておくことが重要だと感じるようになりました。
その結果、「今すぐ何かを変えるため」ではなく、患者さんをより深く理解するための情報として検査値を見るようなりました。
患者さんに積極的に検査値を聞き取れるようになりました。
検査値の薬歴入力を標準化する“業務フロー”を作った

私の薬局では基本的に、投薬後にその患者さんの薬歴を書き終えてから、次の患者さんの投薬に進む運用をしています。
この流れの中で検査値を聞き取ると、薬歴を書く時間が2〜3倍に延びてしまい、投薬がまったく進まなくなります。
特に患者さんが集中するピークタイムでは、現実的ではありません。
そこで、検査値を確認する際には、患者さんの許可を得たうえで、検査結果の紙をコピーするという方法を取りました。
コピーした検査値は、その場で薬歴に入力せず、調剤室に設置した特定のカゴに入れるようにしています。
ピークタイムが終わり、自分の薬歴を書き終えた薬剤師が、そのカゴから検査値のコピーを回収し、順番に薬歴へ入力していく。

このように、「検査値を聞き取るタイミング」と「薬歴に入力するタイミング」を分ける業務フローを作りました。
この方法にすることで、検査値を確認しても投薬の流れを止めることがなく、次の患者さんの監査・投薬にスムーズに進めます。
検査値の確認が、薬歴を書く時間に影響しません。
さらに、患者さんが少なくなり、比較的手が空く時間帯に検査値入力という明確な業務があることで、薬剤師の待機時間を減らせるというメリットも感じています。
検査値を活用するうえで大切なのは、個人の頑張りではなく、業務として無理なく回る仕組みを作ること。

この業務フローは、そのための一つの工夫です。
“毎回検査値を確認してほしい患者”を申し送りで可視化した
検査値を活用していく中で感じたのは、特に注意して、継続的に検査値を確認したい患者さんが一定数いるということです。
しかし、それを各薬剤師の記憶や意識に任せてしまうと、どうしても確認にムラが出てしまいます。
そこで私は、
「毎回来局時に検査値や関連データを確認してほしい患者さんについて、薬歴の申し送り欄に明記する」
という運用を取り入れました。
例えば、以下のような患者さんです。
【心不全の患者さん】
心不全の患者さんでは、体重の変化が病状悪化のサインになることがあります。
そのため、来局時には毎回体重を確認し、これまでの推移と比べて増減がないかを見るようにしています。
【腎機能によって用量調節が必要な薬を服用している高齢者】
前回の検査では腎機能が保たれていても、次の来局時には脱水などをきっかけに、減量や中止を検討すべき状態に変化している可能性があります。
特に高齢者では、体調不良や食事量・水分摂取量の低下によって、腎機能が短期間で変動することも珍しくありません。
そのため、「前回問題なかったから大丈夫」と判断せず、毎回腎機能を確認する必要がある患者さんとして申し送りに残しています。
【SU剤を服用しており、HbA1cの下限値を意識すべき患者さん】
血糖値を下げることだけに目が向くと、低血糖リスクを見逃してしまう可能性があります。
HbA1cが下がりすぎていないかを含めて、数値の推移を継続的に確認することが重要です。
特に、SU剤を服用している高齢者では、年齢や認知機能などを考慮したHbA1cの下限値が設定されています。
ただし、その数値を正確に暗記しておくのは現実的ではありません。

少なくとも私は覚えられません。
そこで私の薬局では、その患者さんの年齢や認知機能といった根拠とあわせて、目安となるHbA1cの範囲を申し送り欄に記載しています。
こうすることで、聞き取ったHbA1cが「注意すべき数値なのか」「問題ない範囲なのか」を、その場で判断しやすくなりました。
こうした患者さんについて、申し送りに残すことで、誰が対応しても、同じ視点で検査値を確認できるようになりました。
検査値の確認を、その場の判断や個人の頑張りに任せるのではなく、チームとして共有すべき情報として可視化する。
この仕組みによって、検査値フォローの質が安定したと感じています。
『薬剤師力がぐんぐん伸びる 検査値の活かし方』を読んだ感想【よかった点・気になった点】
ここからは、本書を1冊読み終えたうえでの率直な感想をまとめます。
実務で実際に使ってみたからこそ感じた、よかった点と気になった点を正直に書きます。
本書を過度に持ち上げるのではなく、どのような点が役立ち、どのような場面では少し戸惑うことがあったのか。

これから本書を手に取るか迷っている方が、自分に合う1冊かどうかを判断する材料になればと思います。
ボリュームも難易度もちょうどいい
本書は約240ページと、医療書としては標準的な部類です。
腰を据えて読めば、4〜5時間ほどで一通り読み切れるボリューム感だと感じました。
内容は決して易しすぎるわけではありませんが、専門用語や考え方が丁寧に説明されており、普段、本を読まない薬剤師でも読み進めやすい構成になっています。
一方で、すでにある程度の臨床経験がある薬剤師にとっても、「なんとなく分かっていたこと」を言語化してくれる場面が多く、学びが浅く感じることはありませんでした。
検査値をテーマにした本というと、途中で読むのがつらくなってしまうものも少なくありません。
その点、本書は章立てや文章のリズムがよく、最後まで集中力を保ったまま読み切れる点が印象的でした。

「重すぎず、軽すぎない」
自己学習用として、ちょうどよい難易度と分量の1冊だと思います。
本書をきっかけにもっと色々勉強したいと思えた
本書を読んで強く感じたのは、「検査値をもっと理解したい」「もう一歩踏み込んで勉強したい」という気持ちでした。
検査値の本というと、「これだけ覚えればOK」「ここだけ押さえれば大丈夫」といった完結型の内容を期待してしまいがちです。
しかし本書は、そうした作りにはなっていません。

検査値を読むためには、薬の知識や病態の理解が欠かせないこと、そして一度の学習で身につくものではないことが、読み進めて学習する中で実感していきます。
そのため、読み終えたあとに残ったのは、「これで十分」ではなく、「この部分はもう少し深く知りたい」という前向きな課題意識でした。
検査値を入り口にして、薬理、病態、ガイドラインなど、次に学ぶテーマが自然に思い浮かびます。

本書は、知識を与えて終わる本ではなく、学びを広げる“起点”になる本だと感じました。
勉強に苦手意識がある薬剤師ほど、「次に何を勉強すればいいのか」が見えてくる1冊だと思います。
(気になった点)1周読むだけでは、力にならない

本書を読み終わった感想として、本書は1周読んだだけで、すぐに実務に活かせるようになる本ではないと感じました。
読み物として理解はできても、検査値を実際の患者対応で使おうとすると、
「この数値をどう解釈すればいいのか」
「今の処方とどう結びつければいいのか」
と、手が止まる場面が出てきます。
ただし、これは本書の欠点というより、検査値というテーマそのものの特性だと感じています。
検査値は、知識として知っているだけでは不十分で、実際の患者や処方と結びつけて初めて理解が深まるものだからです。
本書も、「読んで終わり」ではなく、現場で使い、また本に戻ることで知識として定着するという印象があります。
1周目は全体像をつかみ、2周目以降で「今の患者に関係する部分」を拾い読みする。
そうした使い方をすることで、少しずつ力になっていく本だと思います。
検査値を得意分野にしたい薬剤師にとっては、即効性よりも、繰り返し読み返すことで積み上がっていくタイプの1冊です。
(気になった点)一部、活用の仕方がわからないフローチャートが紹介されていた
本書では、脂質異常症の項で久山町研究によるリスク分類をもとにしたフローチャートが紹介されており、本文中でも「このフローチャートを参考にしましょう」と記載されています。
ただ、実際に本文を読み進めてみると、そのフローチャートを使うために必要な「スコアの付け方」についての具体的な説明は記載されていません。
年齢や喫煙歴、血圧、LDL-Cなどの情報をどのように点数化し、どの合計点で低・中・高リスクに分類するのかといった部分が示されていないため、本文だけを読んだ状態では、フローチャートを実際の患者に当てはめて使うことは難しいと感じました。
フローチャート自体は、「脂質管理の目標値は患者ごとに異なる」という考え方を理解するうえでは有用です。
一方で、「使用しましょう」と記載されている以上、もう一段階踏み込んだ補足説明があれば、より実務に落とし込みやすかったのではないか、という印象も残りました。
『薬剤師力がぐんぐん伸びる 検査値の活かし方』をオススメできる人
全ての薬剤師!

今回はあえて対象を絞りません。
なぜなら、検査値の知識が必要ない薬剤師はいないからです。
とはいえ現実は、
「見せてもらっても説明できない」
「薬歴が増えてしんどい」
「確認しても処方は変わらない」
こんな理由で、検査値に距離ができがちです。
私もそのタイプでした。
本書は、検査値を“暗記する本”ではありません。
検査値を見て異常値を探すのではなく、患者の病態・状況・処方薬から検査値を思考する。
この順番を教えてくれる1冊です。
だから読後は、検査値が「怖いもの」から「使える材料」に変わります。
そして何より、読み終えたときにこう思います。
「次に来た患者さんの検査値、見てみたい」と。
本書を読んで
「すでに知っていることしか書いていなかった」
「自分の知識をアップデートできなかった」
と感じる薬剤師は、この世に存在しないと思います。
検査値に苦手意識がある人ほど伸びます。
すでに確認している人も、見方が整理されます。

だから私は、全ての薬剤師にオススメします。
著者紹介
本書の著者は、岸田 直樹(きしだ なおき)先生です。
医師(MD)であると同時に、公衆衛生学修士(MPH)と博士号(PhD)を持つ総合診療医で、現在も臨床の第一線で診療を行っています。Sapporo Medical Academyの代表理事として、医師・薬剤師を対象とした教育活動にも力を入れています。
岸田先生は、薬剤師向けの書籍や監修書が多いことも特徴です。
『感染症非専門医・薬剤師のための 感染症コンサルテーション』や『薬学管理に生かす 臨床推論』など、薬剤師が臨床現場で「どう考え、どう判断するか」に焦点を当てた著書を多数執筆・監修しています。
本書でもその姿勢は一貫しており、検査値を単なる数値として扱うのではなく、患者の背景や病態と結びつけて考える視点が、薬剤師にも分かりやすい言葉で示されています。
「医師が薬剤師に教える本」というよりも、
臨床の現場で一緒に考えるための共通言語を整えてくれる著者。
そのスタンスが、本書の読みやすさと実務へのつながりやすさにつながっていると感じました。
まとめ【明日から、患者さんの検査値を見たくなる1冊】
本書は「検査値を覚える本」ではありません。
検査値を見て異常値を探すのではなく、患者の病態・状況・処方薬から検査値を思考する。
この“順番”を身につけることで、検査値が急に身近になります。
そして読後には、患者さんに自然とこう聞きたくなります。

「検査値、見せてもらえますか?」
【本書はどのような本なのか】
・“検査値を読む”とは何か、その本質(考え方)を学べる
・検査値を読むために必要な薬の知識・病態理解が整理できる
・トレーシングレポートや情報提供に検査値という根拠を足せるようになる
・調剤室に置いて調べる本というより、自己学習向けで「現場で検査値を見たくなる」本
【私が業務に活かしたこと】
・患者さんに検査値を見せてもらう機会が増えた
・検査値を聞き取っても投薬が止まらないよう、検査値コピー→カゴ保管→後で薬歴入力の業務フローを作った
・毎回確認したい患者を申し送りで可視化し、チームで確認できるようにした
【本書をオススメできる人】
全ての薬剤師にオススメです。
検査値の知識が必要ない薬剤師はいません。
本書を読んで「知っていることしかなかった」「知識をアップデートできなかった」と感じる薬剤師は、この世に存在しないと思います。

検査値が苦手でも大丈夫です。
むしろ、苦手な人ほど伸びます。
本書を1周読んだだけで、急に何でもできるようにはなりません。
でも、本書で学ぶ→現場で確認する→疑問が出る→また本書に戻る。
このサイクルを回し始めた時点で、検査値は「怖いもの」ではなく「使える材料」になります。
検査値を武器にしたい薬剤師は、ぜひ手に取ってみてください。
明日からの業務で、患者さんの見え方が変わります。
【のしんの一言】

最後まで読んでいただきありがとうございます。
勉強意欲の高い薬剤師のあなたに、ひとつだけ伝えたいことがあります。
「もっと学びたい」気持ちを活かすには、“どこで働くか”もとても大切です。
▶︎ 学び続けたい薬剤師のための“転職の考え方”はこちら



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