薬剤師が本気で循環器を勉強したいならこの1冊!オススメ本『循薬ドリル』徹底レビュー

循環器の本

あなたは「HFrEF」「HFpEF」を説明できますか?

のしん
のしん

正直、私は説明できません。

また「クリニカルシナリオ」や「Nohria-Stevenson分類」といった言葉を聞いて、ピンとくるでしょうか?

これらは心不全患者を評価する上で欠かせない基本知識です。

病院薬剤師の方でしたら、こういった用語は普段から当たり前のように使っているはずです。

薬局薬剤師の中にも、

薬剤師
薬剤師

そんなことも知らないで薬剤師やってるの?

と感じる方もいると思います。

でも、正直に言うと——

のしん
のしん

私はこれらの言葉をちゃんと理解しないまま、エンレストを交付したり、「SGLT2阻害薬って心不全にも使えるんだよね」くらいの知識で業務にあたっていました。

実は同じような薬剤師の方、少なくないのではないでしょうか。

この記事では、“心不全の基本のキ”から、医師と同じ目線でディスカッションできるレベルまで、本気で学び切るための1冊『循薬ドリル』をご紹介します。

読み切るには相当の気合いが必要ですが、それに見合うだけの学びがあります。

カルテが見られない薬局薬剤師でも、「この人、HFrEFかも?HFpEFかも?」と考えた上で、じゃあ必要な薬物治療は何か?と一歩踏み込んで判断できる薬剤師にレベルアップできる。そんな力をくれる1冊です。

項目星評価ポイント
総合評価3.0全ての薬剤師に心不全の勉強をしてほしいと思える内容ですが、難易度がかなり高め。勉強習慣のない方が手に取っても、途中で諦めてしまう可能性が高いと感じたため、評価は少し控えめにしました。
実務での
活かしやすさ
3.0病院薬剤師はもちろん、薬局薬剤師でも本書の知識を活かすことで、よりよい医療提供が可能になります。ただし、実際の現場で本書を開きながら対応するイメージはわかず、その点で星は抑えめにしました。
自己学習
への向き
5.0言うまでもなく、自己学習専用の医学書です。覚悟を決めて取り組めば、自分の知識として大きな武器になります。頑張って読み切りたいと思える1冊です。
読みやすさ3.0専門用語が多く、ネットで調べながらでないと読み進められません。また、用語を整理するためのノートや書き込み用のペンも必須です。ただし、文章そのものの言い回しはわかりやすく、ゆっくり丁寧に読み込めば理解できます。
コスパ3.0税込4,180円。本書を途中で挫折してしまう方も少なくないのでは?と感じたため、評価は控えめです。ただし、最後まで読み切って知識を自分のものにできれば、この価格はむしろ安いといえます。
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『循環器疾患にかかわる薬剤師の思考・視点がわかる 循薬ドリル』はどのような本か

 薬剤師視点で循環器疾患にどのようにアプローチするのかを学べる本

のしん
のしん

本書は、循環器疾患を専門とする病院薬剤師や、多様な臨床経験をもつ8名の薬剤師によって執筆されています。

心不全、不整脈、冠動脈疾患などの循環器疾患をはじめ、それに関連する薬物治療について、薬剤師に必要な知識が体系的に整理されています

どの章も「薬剤師として、何を考え、どう行動するか」が軸になっており、単なる解説にとどまらず、実践的な思考のプロセスを学べる構成です。

エビデンスに基づいた情報はもちろん、現場ですぐに活かせる視点が詰まった一冊です。

ドリルという名にふさわしい、紙とペン必須の“本気の問題集”

本書は、各章の冒頭にケーススタディ(症例)と問いが設定されており、それに対する思考プロセスが本文で解説され、章末には確認問題が用意されています。まさに「読むドリル」という構成です。

ただし、決して読みやすい内容ではありません。本文中には専門用語が頻出し、知らない用語をその都度調べなければ先に進めません。

のしん
のしん

1回通して読んで理解できるような優しい本ではありません。ページを行き来しながら、自分の頭でどこまで理解したのかを整理しながら、何度も読み返すことになる、そんな1冊です。

問題を解くため、自分の理解を定着させるためには、ノートとペンが必須。電車の中で本を読むだけでは到底身につかず、静かな環境で集中して取り組む必要があります。

まさに“本気で向き合う人”のための一冊です。

 疾患・薬剤・患者背景の3軸で構成されており、気になるテーマだけを選んで読める

本書は全体で23の章に分かれており、構成は大きく「疾患」「薬剤」「患者背景」の3つの軸で整理されています。

疾患別では、「心不全」「不整脈」「急性冠症候群(ACS)」「大動脈弁狭窄症(AS)」などが取り上げられており、薬剤別では「降圧薬」「利尿薬」「ARNI(エンレスト)」「SGLT2阻害薬」などが扱われています。

また、「心不全とがん」「心不全患者の療養指導」「フレイル」「栄養」「緩和治療」など、患者背景に焦点を当てた章も充実しています。

このように、興味のあるトピックや、自分の業務に関係のあるテーマから読み進められる構成になっており、必ずしも最初から通読する必要はありません。

のしん
のしん

つまみ読みでも十分に学びを得られる、実用的な設計です。

「これ、読んだぞ」と現場で思い出してからが本番

繰り返しになりますが、本書は1回読んだからといって、すぐに現場で使いこなせるような内容ではありません。むしろ、「読み切ったあとがスタート」と言える本です。

実際に心不全の患者さんと向き合ったときに、「あれ、この症例、本で読んだかも」と思い出し、改めて本書を開いて確認する。

そうやって現場での経験と本書の知識を往復しながら、理解を深めていく——そうやって付き合っていくのが、この本の本当の使い方だと思います。

一朝一夕では身につかない内容だからこそ、何度も読み込み、何度も立ち返りながら、少しずつ自分の中に落とし込んでいく

のしん
のしん

心不全や循環器領域に強くなりたい薬剤師にとって、本書は“バイブル”のような存在になるはずです。

【『循薬ドリル』を読んだ感想】メリットと気になった点

自分がいかに循環器領域の知識が足りていなかったかを自覚できた

循環器領域にはなんとなく苦手意識がありつつも、実務ではそれなりに対応できていると思っていました。

でも本書を読み進めるうちに、「知っているつもり」で止まっていたことの多さに気づかされました。

のしん
のしん

特に心不全の分類や薬剤の使い分けなど、聞いたことはあるけど説明できない知識がこんなにもあったのかと反省…。

ここでは、実際に読みながら「なるほど!」と思ったポイントをいくつか紹介します。

【ペカッ!ブレブレ…】HFrEF、HFpEFの覚え方(この見出し読まなくていいです)

心不全は大きく分けて2つのタイプに分類されます。

ひとつは「HFrEF(ヘフレフ)=左室駆出率が低下しているタイプ」で、もうひとつが「HFpEF(ヘフペフ)=駆出率は保たれているが、拡張障害があるタイプ」です。

ざっくりいうと、

HFrEF:心臓がぶよぶよで縮めない(=収縮不全)

HFpEF:心臓がカチカチで膨らめない(=拡張不全)

というイメージです。

どちらも心不全で、「息切れ」「浮腫」などの症状は似ていますが、病態が異なるため治療方針にも違いがあります。まずはこの2つをしっかり区別して頭に入れておくことが大切です。

のしん
のしん

ではここで、私の完全自己満足な語呂合わせを紹介します。

(※意味不明かもしれませんが…笑)

私はスロットやパチンコはほとんどやったことがないのですが、学生時代に友達に連れられて「ジャグラー」というスロットを打ったことがあります。

ジャグラーは、「ペカッ!」という効果音とともにランプが光れば大当たり、というとてもシンプルな台です。

この「ペカッ!」は大当たり確定で、つまりめちゃくちゃ嬉しい効果音です。この「ペカッ!」を聞きたくてジャグラーを打つという方もいるくらいです。

ただ、もちろんギャンブルなので、そう簡単には当たりません。お金がどんどんなくなって、

のしん
のしん

もうやめる!二度とやらない!

と毎回思うんです。

そして、もうやめようと思ったその瞬間に、「ペカッ!」とランプが光って大当たり。めちゃくちゃ嬉しい。

もうやめると決めたのに、気持ちが「ブレブレ」になって、つい続けてしまう。

のしん
のしん

はい。これが「ペカッ!ブレブレ…」です。

無理やりです。自覚あります。付き合わせてすみません。

「ペカッ!」=HFpEF(ヘフペフ)の“ペ” + “カチカチ”の“カ” → 拡張不全

カチカチな心筋でうまく拡張できない、けど収縮は保たれている。

「ブレブレ…」=HFrEF(ヘフレフ)の“レ” + “ぶよぶよ”の“ブ” → 収縮不全

筋肉がゆるくて収縮できない、心拍出量も低下している。

ジャグラーを知らない方には「何それ?」という覚え方だと思いますが(笑)

もし語呂合わせがハマった方がいれば、ぜひ「ペカッ!ブレブレ…」で覚えてみてください。

心不全治療薬は「生命予後改善薬」と「症状改善薬」に分けることができる

本書で印象的だった視点のひとつが、心不全治療薬を「生命予後改善薬」と「症状改善薬」に分けるというものです。

今までなんとなく心不全の薬と考えていましたが、明確にこの2つに分けて整理されることで、薬剤の意義や役割がグッと理解しやすくなりました。

たとえば、HFrEFにおいて生命予後改善効果が認められている薬剤は以下の5つです。

  • β遮断薬
  • ACE阻害薬
  • ARB
  • MRA
  • SGLT2阻害薬

また、HFpEFにおいて予後改善効果が確認されているのは、SGLT2阻害薬のみです。

一方で、うっ血症状には「利尿薬」や「硝酸薬」を、低心拍出による倦怠感・冷感などの症状には「強心薬」を使用しますが、上記とは異なりこれらには生命予後改善効果は認められていません。

実際の現場では、体調が安定している患者さんが利尿薬や硝酸薬、強心薬などの“症状改善薬”を何年も継続しているケースも少なくありません。

もちろん、服用中止によって症状の再燃が起こる可能性もあり、安易な中止提案はできません。

ただ、「これは予後改善のための薬ではなく、あくまで症状コントロールのための薬」という視点を持つだけでも、今後のフォローや処方提案の仕方が変わると感じました。

のしん
のしん

この“治療薬の目的別分類”は、日々の業務に活かせる非常に実践的な学びでした。

肺うっ血と胸水の違い

本書を読んで、「肺うっ血」と「胸水」の違いを明確に説明できなかった自分に気づきました。

どちらも“肺に水がたまる”ようなイメージで捉えていましたが、実は全く別の病態です。

肺うっ血とは、肺胞の中に水がたまる状態です。

主な原因は左室不全で、左心室が全身に血液を送り出せないために、肺の血流が渋滞してしまい、毛細血管から水分が肺胞内にしみ出してしまいます。

つまり、肺の“中”が水浸しになるイメージです。

一方で、胸水は、肺の“外側”(胸膜腔)に水がたまる状態です。

原因は右室不全などによる全身の血液うっ滞で、静脈側に水分がしみ出してしまう、いわば「浮腫」のような仕組みです。

その結果、肺のまわり、胸膜腔にも水がたまるのが胸水です。

このように、肺うっ血は“肺の中”に水、胸水は“肺の外”に水という構造の違い、そして左心不全 vs 右心不全という原因の違いも理解することができました。

心不全療養指導士という認定制度

心不全療養指導士」という認定制度について、本書を読むまで知りませんでした。

2021年に日本循環器学会が開始した比較的新しい制度で、薬剤師も対象となっており、2024年12月時点で取得している薬剤師も1,000名ほどいるとのこと。

心不全の患者さんに対して、病院から在宅、そして地域医療にいたるまで幅広く支援していくための資格です。薬剤師として心不全患者に深く関わっていくために、必要な認定制度だと思います。

学会への所属や試験、研修などのステップはあるようですが、実務の中で心不全の患者さんに向き合っている薬剤師なら、目指す価値は十分です。

のしん
のしん

今後、私もこの認定を取りたいと素直に思いました。

(気になった点)調剤薬局では想像しにくい症例も多く、病院薬剤師向けと感じた

本書に登場する症例の多くは、救急搬送された患者さんや入院中の心不全患者さんなど、病棟でしか出会えないような症例です。

のしん
のしん

内容としては非常に勉強になるのですが、調剤薬局で日常的に出会う患者さんと比べると、どうしても現実味を持ってイメージするのが難しいと感じました。

特に、検査値や画像所見をもとにした評価、点滴や急性期の処方設計などは、カルテにアクセスできない薬局薬剤師にとっては、やや距離を感じる部分かもしれません。

とはいえ、薬局薬剤師でも本書で学ぶ意義は大きいです。特に在宅で心不全患者さんと向き合う場面がある薬局薬剤師であれば、本書の知識は間違いなく活かせると感じました。

働いている環境によって、本書から得られる気づきや学ぶスピードには差が出ると思います。

それでも、心不全や循環器領域をきちんと学びたいすべての薬剤師に、本書はぜひ読んでほしい1冊です。

内容は高難易度だが、文章・構成は読みやすい

本書の内容は、正直かなり難しいです。

心不全や循環器疾患の病態、薬物治療、検査値の解釈など、どれも専門的で、知識が浅いと読み進めるのに苦労します。

私は知らない用語を調べながらでないと、ほとんど前に進めませんでした。

のしん
のしん

とはいえ、文章そのものはとても丁寧に書かれていて、専門書にありがちな堅さや読みにくさは感じませんでした。

文章や構成も整っていて、説明の流れもわかりやすいです。

専門用語は多いですが、「難しいことを難しく書いている」のではなく、「難しいことを丁寧に書いている」という印象でした。

頑張って調べながら、自分の理解を整理しながら読み込めば、必ず自分のものにできる内容です。

(気になった点)読み切れる人少ないと思います!ぜひ挑戦してほしい!

この本は、正直かなりの“気合い”がないと読み切れないと思います。

読むだけで理解するのはほぼ不可能で、用語を調べながら、ページを何度も行き来しながら、ノートに整理しながらじゃないと前に進めません。

のしん
のしん

私自身も「レビュー記事を書く」という目的がなければ、途中で挫折していたと思います。

「なんとなく心不全苦手だから読んでみようかな」という気持ちで本書を手に取ると、多くの方が途中で読むのを断念してしまうのではないかなと思います。

でも、だからこそ思うのは、この本を最後まで読み切った人は本当にすごいということ。

内容を理解して読み通せたなら、それだけで心不全や循環器に対する確かな知識と自信が手に入っているはずです。

のしん
のしん

また、1回読んで終わりにする本ではないとも感じました。

本書で学んだことを実務の中で経験し、「あ、これ読んだところだ」と思い出しながらまたページを開く。

その繰り返しによって、本書の内容が少しずつ自分の中に定着していく——読むだけで身につく内容ではなく、実務と行き来しながら、学び続けていく前提で向き合うべき本です。

のしん
のしん

気軽に手に取れる本ではありませんが、「循環器を本気で学びたい」と思っている薬剤師の方には、ぜひ一度挑戦してみてほしいです。

『循薬ドリル』をオススメできる人

循環器病棟を担当している病院薬剤師

本書は、循環器病棟で日々患者さんと向き合っている病院薬剤師にとって、まさに実務と直結する内容ばかりです。

症例ベースで構成されており、急性期から慢性期、さらには終末期医療まで幅広くカバーされているため、実際の患者対応をイメージしながら読み進めることができます。

また、薬剤選択の根拠やフォローアップの視点など、「薬剤師として何を考え、どう関わるか」という問いが常に示されているのも本書の魅力です。

学んだ知識がすぐ現場で活かせる——そんな感覚を持てる1冊だと思います。

循環器病棟担当ではない病院薬剤師

循環器病棟を担当していない薬剤師にとっても、本書はしっかり読んでおきたい1冊です。

のしん
のしん

実際に病院で働く知人の薬剤師に話を聞いたところ、循環器の医師から薬剤師に相談されるのは、リウマチ、糖尿病、緑内障など“循環器以外”の薬に関することが多いそうです。

というのも、循環器の専門医は薬にかなり詳しいため、自分の専門領域の薬について薬剤師に頼る必要があまりないのだとか(笑)

その分、循環器病棟以外を担当している薬剤師の方が、心不全治療薬や循環器関連の薬について質問される機会が意外と多いという実態があります。

だからこそ、「循環器は専門外だから…」と避けずに、ベースの知識を本書でしっかり身につけておくことが大切だと感じました。

循環器病棟の担当でなくても、日々の業務の中で必ず活きてくる場面があると思います。

在宅医療に関わる薬局薬剤師

在宅医療の現場では、心不全の高齢患者さんと関わることが少なくありません。

のしん
のしん

そうした中で、患者さんのバイタルや症状から“今何が起きているのか”を考え、適切な声かけや服薬支援を行うには、薬剤師にも循環器疾患の理解が求められます。

本書には、在宅の現場にも応用できる視点が多く含まれています。

たとえば、呼吸困難の訴えに対して「肺うっ血か?胸水か?」を考える視点や、強心薬や利尿薬の妥当性を見直すヒントなどは、まさに在宅医療に直結する知識です。

カルテが見られない薬局薬剤師だからこそ、患者さんの状態を想像しながら介入する力が求められます。

本書は、そうした“考える習慣”を身につけるきっかけになると感じました。

循環器領域を本気で勉強したいと思っているすべての薬剤師

薬剤師A
薬剤師A

心不全、苦手だな…

薬剤師B
薬剤師B

循環器ってなんとなく難しそう

そんなモヤモヤを抱えながらも、本気で学び直したいと思っている薬剤師にとって、本書はぴったりの1冊です。

ただし、内容はかなり高難易度。

気軽な気持ちで手を出すと、間違いなく挫折します。

それでも、「しっかり勉強して自信をつけたい」「患者さんに根拠を持って説明できるようになりたい」と思っているなら、この本ほど頼れる教材はそうありません。

読むのに時間はかかりますが、そのぶん得られる知識は実践的で深く、読み切った後には確かな手応えが残ります

のしん
のしん

“循環器領域を勉強する覚悟”がある薬剤師に、ぜひ手に取っていただきたいです。

著者・監修者紹介

本書『循薬ドリル』は、東住吉森本病院薬剤部の佐古守人氏を編著とし、全国の病院や大学に所属する現場経験豊富な薬剤師8名が執筆されています。

執筆者はいずれも循環器疾患や薬物治療に精通したプロフェッショナルであり、実際の臨床での気づきや薬剤師としての視点が詰まっています。

循環器領域を深く学びたい薬剤師にとって、まさに“現場の思考”を学べる1冊です。

【まとめ】心不全・循環器領域を本気で学びたい薬剤師に

のしん
のしん

この記事では『循薬ドリル』についてご紹介しました。

心不全や循環器に対して「ちょっと苦手だな…」と感じている薬剤師の方にこそ、ぜひ一度手に取っていただきたい“本気の1冊”です。

【本書はどのような本か?】

• 症例ベースで薬剤師の思考・視点が学べる、自己学習用の実践書

• 難易度は高め。紙とペン必須の「読む+書く」スタイルが求められる

• 疾患・薬剤・患者背景の3軸で構成されており、気になるテーマだけを読むのもOK

• 読んで終わりではなく、実務と行き来しながら知識を定着させていくタイプの本

【本書で学べること】

• 心不全、不整脈、ACS、大動脈弁狭窄症など循環器疾患の基本とアプローチ

• 降圧薬、利尿薬、エンレスト、SGLT2阻害薬の使いどころと考え方

• 「がん」「フレイル」「栄養」「終末期」など患者背景に合わせた心不全対応

• 症例を通じて、薬剤師として“どう考え、どう動くか”を学べる構成

【この本をオススメしたい人】

• 循環器病棟を担当している病院薬剤師

• 循環器病棟“以外”を担当している病院薬剤師

• 在宅医療で心不全患者と向き合う薬局薬剤師

• 循環器を本気で学びたいすべての薬剤師

正直、気軽に読める本ではありません。

読み切るには根気と覚悟が必要ですし、1回読んだだけでは身につきません

でも、だからこそ——

この本を読み切った人は、自信を持っていいと思います。

いろんな医療書を読み込んできた私が、「この本を読破できた人はすごい!」と思える1冊です。

正直、私はレビューするという目的があったから読み切れました。

でも、もし自己学習のためだけに読み始めていたら、途中で諦めていたかもしれません。

のしん
のしん

本書を読み切れた薬剤師の方は「のしんに勝った!」と思っていただいて間違いありません(笑)

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